高台家の人々あらすじネタバレ試し読み!

高台家の人々 序章あらすじ

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風邪をこじらせて4日間会社を休んだ

 

4日目は熱も下がって行こうと思えばなんとなくいけたけど、

 

さぼり癖がついて心底行きたくなかったので

 

会社が謎の集団に占拠されて当分の間機能停止になった
 
・・・・という話を妄想しながらゴロゴロしていた。
 
平野木絵29歳、地味なOLは5日目にようやく出社したが、

 

妄想とは違って会社は無事だった。

 

しかし社内の空気が違っているよう雰囲気は感じ取っていた。

 

ロッカールームで先輩社員の阿部さんと話をして教えてもらったのは・・

 

「高台光正様。

 

あなたが休んだ日にニューヨーク支社から来たのよ。

 

で、彼が朝早く来るんでこの3日間女子社員がやたら早く出社するわけ」

 

「戦国武将みたいな名前ですけど・・・目、青かったですよ?」

 

「おばあ様がイギリス人なんだって」

 

高台家はスゴイ名門で元華族かなんとかでT大卒でオックスフォードに留学で・・・

 

髪は漆黒目はブルー、身長は180cm 27歳もちろん独身、趣味はスポーツ全般と、長男。

 

並べれば並べるほどすさまじいイケメンぶりだ。

 

女子社員たちが目の色変えて狙いを定めるのも無理はない。

 

「ほえ〜〜〜〜〜〜すごいですねー」

 

「ほえほえ言ってないで木絵ちゃんも負けずに狙いなさいよ」

 

阿部さんがハッパをかけるけど、木絵には現実感がなくて他人事のようだ。

 

それよりもイギリスと聞いて思い出すのはデカイ黒い帽子をかぶった近衛兵だとか、インバネスコートに鹿撃ち帽のシャーロック・ホームズだとか・・・・・あ、コレだ、これが似合いそう。
 
木絵が妄想の中で光正様に着せたのは将校の制服。
 
(実を言うと彼(光正様)は王位をめぐる陰謀に巻き込まれた王族の青年で・・)
 
「おのれドダリー卿。」
 
(ドダリー卿率いる惡の組織に命を狙われていて命からがら日本に逃れてきたのだ・・・
 
だがしつこいドダリー卿は・・・)

 

「木絵ちゃん、」

 

はっ

 

阿部さんの声に木絵は現実に戻ってきた。

 

上司の脇田課長がぞっとするほどヤな顔で木絵をにらんでいた。

 

仕事中でした・・・・

 

木絵は小さいころから妄想癖があり、他人と話すのが苦手だったせいで一人でいることが多くて自然と妄想の世界にふけりやすい体質になっていた。

 

「てゆーか、勉強や仕事の邪魔になるだけ」

 

 

そんなある日、木絵が段ボールを手にエレベーターに乗り込んだ中に光正様が一人立っていた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

(おお!!高台なんとか様だ!!)

 

(二人きりってなんか緊張する〜突然エレベーターが止まったらどーしよー)

 

そこからまた木絵の妄想が頭をもたげてくる。

 

(エレベーターが止まったのはこのビルがすでに占拠されているからで、
 
無論、ドダリー卿の仕業)
 
妄想はさっきの続きのようだ。
 
(エレベーターといったら天井から脱出して命からがら屋上へ)
 
光正と二人ドダリー卿の配下に撃たれながら無事に屋上のヘリの梯子までたどり着く。
 
「早くつかまって!」
 
「でもっ、脇田課長がやつらの人質にっ・・・」
 
さっき木絵をにらんだ脇田課長は敵の人質になってありったけの縄でグルグル巻きにされていた。
 

「しかたない、課長のことはあきらめよう!」
 
光正が叫ぶ・・・・
 
「クッ」

 

そのうめくような声に木絵はまた現実に戻ってきた。

 

光正はこちらに背を向けたまま軽く咳をした。

 

「着きましたよ、7階」

 

「あ、どうも」

 

(思ったより優しい人かも・・・・)

 

光正を見ると無限に空想が広がると木絵は思った。

 

そしてこーゆー人も空想は広がる・・・

 

木絵の会社にやってきたのは「マキノ」の社長。

 

見た目は頭つるつるマユは墨で塗りたくったような太眉毛、そして口の周りの濃ゆい髭。

 

カワイイ西さんを気に入ったようでずっと見ている。

 

(あの人は あれでもランプの精
 
でもまだ一度もご主人様に呼ばれたことがない・・・
 
忙しそうな仲間を見ながら洗濯をして・・・暮らしておりますた。
 
ある日、とうとうランプを拾った西さんがランプを擦りながらでてこーいと唱えましたが
 
出方がにゅるりとキモかったので西さんにブン投げられてしまいました・・・・)

 

「ぷっ」

 

木絵を現実に引き戻したのは木絵の背後に立っていた高台なんとか様だった!!

 

(今・・・吹いた!?)

 

光正は牧野社長に話しかけ、そのまま会議室へと案内して行ってしまった。

 

「見た?今の・・・高台さんめっちゃ笑ってたね!」

 

「きっと牧野社長見て吹いちゃったのよ」

 

(あ・・・ああ、そうか・・・そーよね)

 

頭の中を読まれたのかと一瞬木絵はびっくりしてしまったのだった。

 

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朝、信号待ちで立ち止まっている木絵の後ろから挨拶の声が。

 

「おはよう、平野さん」

 

「あ、おはようございま・・・・す?」

 

(高台なんとか様じゃ!!)

 

「今朝は冷えますね」

 

(こっ・・・この人っ、どーして私の名前知ってんの!?課も違うし話したこともないのに誰かに聞いたの?
 
まさかっっ
 
こんなやつが(グレムリンのような架空の生き物を思い浮かべて)
 
「あなた様の正体に気づいている者がいるでゲス」
 
「平野
 
平凡の平に野グソの野で平野でゲスよ」

 

・・・・・

 

「っぷっ・・ひ・・・平野・・・さん」

 

「はいっっ」

 

木絵を現実に戻したのはまたしても光正の声だった。

 

光正は口元を手で抑えている。

 

「会社着きましたよ」

 

「あ・・・はい ?」

 

なぜか笑いをこらえているような光正。

 

「平野さん、よかったら今夜食事でもしませんか?」

 

・・・・・・

 

「えええ!?どっ・・・どーしてですか!?」

 

「・・・・いや、どーしてって・・・誘いたいから誘ったんですけど」

 

キラキラ感を身にまといながら光正様。

 

「それと 僕の下の名前、光正です」

 

その後はもう社内ではその話題でもちきり、特に女性社員に。

 

地味系だとか年上だとか、父っちゃん坊やの女版だとか・・・もうどす黒い会話が渦巻まくり。

 

でも木絵は自分が一番信じられないと頬を染めているばかり。

 

「私は見る目有ると思うよ、高台王子様」

 

先輩の阿部さんは木絵にそう言い切った。

 

「木絵ちゃんってわかりにくいけど根は明るくて優しいの知ってるよ。

 

自分のこともほとんど話さないけど他人の陰口も絶対言わないしね」

 

光正は木絵の空想のような超アホくさい話が好きで、つまんなさそーな顔は一度もしない。

 

でもひとつ気になるのは木絵が妄想するといつも可笑しそうなことだ。

 

「・・・あの、高台さんって、人の考えてることがわかる・・・の?」

 

「え?何ソレ、テレパスってこと?」

 

「なわけない・・・よね〜〜〜ごめんなさい」

 

でも光正は横を向いたまま答えた。

 

「でも・・・もしそんなことができたら不幸だよね」

 

「スゴイ便利だと思うけど」

 

「他人の本音なんて知らない方がいいって。相手の嫌な面を知らされて傷ついたりがっかりすることも多いんじゃない?

 

きっと他人と深くかかわるの怖くなるよ。恋愛にも臆病になる・・・多分」

 

「そうかな」

 

「相手にしたって気持ち悪いでしょ、もしテレパスがいたら君は親しくなりたいと思う?」

 

「そりゃ・・・絶対イヤだ!!」

 

(バカな空想を全部知られたら恥ずかしくて死ぬ!!)

 

光正はそんな木絵を見てさみしそうにうつむいた。

 

「でしょ?」

 

「寒いね…帰ろうか」

 

(でも高台さんなら考えるだけで気持ちが伝わったらちょっといいかも。
 
私言いたい事なかなか言えないし、「好きです」なんて何年たっても言えそーにないし。
 
でも頭の中だけなら大声で叫べる
 
「好きです!!」
 
(「ゴメンナサイでゲス」)
 
木絵の妄想の中で勝手にあのグレムリンがお断りしてきた。
 
それをバットで空の彼方に打ちとばす。

 

そこで光正は優しい微笑みを讃えながら振り返り、

 

「木絵、僕も」

 

と言ったのだった。

 

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